マイナカード代理申請 県内高齢者施設の9割“対応できない”
政府は、健康保険証を来年秋に廃止してマイナンバーカードと一体化させる方針です。
寝たきりの高齢者の申請は、施設の職員などが代理で行える仕組みを整えるとしていますが、県内の高齢者施設の9割がカードの代理申請や保管は行えないと感じていることがわかりました。
政府は、来年秋に健康保険証を廃止しマイナンバーカードと一体化させる方針を示していて、カードの申請者が寝たきりの高齢者の場合、高齢者施設の職員などが代理で手続きを行える仕組みを整えるとしています。
こうした中、岩手県保険医協会が3月から4月にかけて県内70の施設にアンケート調査を行い、マイナンバーカードの代理申請について尋ねたところ、「対応できない」という回答が90%に上りました。
対応できない理由を複数回答で尋ねたところ、「本人の意思確認ができない」「手間と労力がかかり対応できない」がいずれも76.2%で最も多くなりました。
また、カードの施設での管理についても「管理できない」という回答が91.4%にのぼり、「カードと暗証番号の管理が困難」「紛失時の責任が重い」という理由がいずれも92.2%となり、「不正利用や情報漏洩への懸念」も76.6%でした。
さらに、調査では施設側から「不安材料が多すぎる」や「人手不足の状況でさらに業務と責任が増えれば離職を促しかねない」といった声があがっています。