盛岡市のパートナーシップ制度開始 初日からカップルが手続き

同性のカップルなどを、結婚に相当する関係と公的に認める盛岡市のパートナーシップ制度が1日から始まり、申請の窓口には初日からカップルが訪れ、手続きを行いました。

盛岡市は、LGBTQと呼ばれる性的マイノリティーのカップルなど、法律上は結婚できない人たちを結婚に相当する関係と公的に認めるパートナーシップ制度を1日からスタートさせました。

性的マイノリティーのカップルだけでなく、異性同士の事実婚や希望する場合は、カップルそれぞれの親や子どもも家族として認めます。

これにより、病院でパートナーの病状について説明を受けたり、面会したりする際、関係を証明できるほか、アパートを借りる際も関係を説明しやすくなると期待されています。

窓口となる市役所の男女共同参画推進室には、初日から認定を希望するカップルが訪れ、書類を提出して今後の手続きについて説明を受けていました。

盛岡市によりますと、1日は早速、申請が1件あったほか、問い合わせも4件あったということです。

盛岡市男女共同参画推進室の三浦志麻室長は「朝から問合せがあり、制度が待たれていたと実感しました。この制度をきっかけに、いろいろな生き方や家族のあり方、それぞれ大事な人がいることが当たり前に感じられるようになってほしいです」と話していました。

【加藤麻衣市議も1日、申請】
盛岡市の市議会議員でレズビアンを公表している加藤麻衣さんも1日、この制度に基づいてパートナーとの関係を認めるよう申請しました。

加藤さんは4年前に市議会議員になり、制度の導入を盛岡市に強く働きかけてきました。

パートナーと一緒に暮らしていますが、法律上の婚姻関係ではないため、これまでさまざまな障害を感じたり、トラブルを避け、言い出すのを諦めたりする経験をしてきたといいます。

加藤さんは「病気になったとき、付き添いをパートナーにお願いしたかったのですが、トラブルになるといやなので、母と私で病状を聞くということがありました。もし母がいない場合やパートナーにどうしても付き添ってもらいたい場合にはどうしたらいいか不安でした」と話していました。

制度ができたことについて、加藤さんは「盛岡にも性的マイノリティーの人がたくさん暮らしていることが明らかになって、周囲の人たちも自然な配慮をしていけるようになったらいいと思います」と話していました。

【手続きはどうするの?】
パートナーシップ制度では、相手をパートナーとして認める「宣誓」という手続きが必要です。

宣誓には2人そろって市役所の窓口に行く必要があり、まず、電話で宣誓する日を予約します。

そして、住民票や戸籍抄本など必要な書類を送ります。

この書類の審査にはおよそ10日間ほどかかるということです。

宣誓日は窓口で改めて意思の確認などを求められ、認められれば、宣誓書に署名します。

この宣誓が終わると、宣誓書の受領証と携帯用のカードが交付され、これらを示すことで公的に関係を認められたカップルと証明することができます。

【県内で導入の動き広がる】
パートナーシップ制度は、全国で導入の動きが広がっていて、県内では一関市が去年12月に導入しています。

このほか、宮古市や紫波町、矢巾町などで今年度中の導入をめざして検討を進めているということです。