田野畑村の観光施設「机浜番屋群」では語り部が津波の恐怖語る
東日本大震災の津波で押し流された、岩手県田野畑村の観光施設「机浜番屋群」で、地元の人が語り部として津波のおそろしさを旅行客に語りました。
田野畑村にある「机浜番屋群」は、地元の漁業者の作業場として建てられ、塩づくりなどを体験できる観光施設として震災前は、にぎわいを見せていました。
震災の津波によって施設は押し流されましたが、村の復興のシンボルとして、再建され、地元の人らが語り部として被災地を訪れた人に津波のおそろしさなどを伝えています。
11日は、施設の管理を行うNPO団体の楠田拓郎理事長が語り部をつとめ、「防波堤を津波が飲み込むのが見えたので、急いで高台に車で逃げました。地域が海のようになっていて、信じられなかった」などと当時の写真を交えながら、発生当時の経験を語りました。
京都から訪れたという60代の女性は「被災地の生の声を聞いて、津波の怖さを実感しました。自分の子どもにも聞いた話を伝えたい」と話していました。
楠田理事長は「津波のおそろしさとともに、いまでも守っている地域の歴史や文化も後世に伝えていきたい」と話していました。