花巻市の中学生が園児に震災語り継ぐ 震災絵本など読み聞かせ
震災の記憶を風化させず語り継いでいこうと花巻市では中学生たちが、幼稚園の園児たちに震災に関する絵本や紙芝居の読み聞かせを行いました。
これは震災後に生まれた子どもたちに防災の意識を育んでもらおうと、花巻市立花巻北中学校が行いました。
11日は生徒9人が市内にある大谷幼稚園を訪れ、震災や防災に関する絵本や紙芝居を読み聞かせました。
このうち「かぜのでんわ」という絵本は、電話線のつながっていない電話ボックスを舞台に、動物たちが会えなくなった家族などに電話で思いを伝える話です。
震災の犠牲者に思いを伝える場として、岩手県大槌町に設置された電話ボックスがモデルになっています。
また、岩手県野田村の保育所で、避難訓練の際に早歩きの練習をしていた子どもたちが、訓練通り避難できたという実話をもとにした絵本も読み聞かせていました。
中学生たちの感情のこもった語り口調に、子どもたちは真剣な表情で聞き入っていました。
読み聞かせを聞いた6歳の園児は「津波が来たら高いところに逃げようと思いました」と話していました。
読み聞かせを行った中学2年生の高八卦由夏さんは「震災の時のことは覚えていませんが、大勢の人の命が失われた悲しさなどを、読み聞かせを通じて子どもたちにつなげていくことができればうれしいです」と話していました。