ILC誘致へ 一関市で期成同盟会の設立総会

次世代の大型実験装置、ILC=国際リニアコライダーの誘致に向け岩手県と宮城県の自治体や関係団体などでつくる期成同盟会の設立総会が8日一関市で開かれました。
今後、誘致の実現に向けて国などへの要望活動を強めていくことなどを確認しました。

一関市で開かれた設立総会には盛岡市や一関市などのほか宮城県仙台市や気仙沼市など2つの県の合わせて17の市と町や議会、それに推進団体の関係者などが参加しました。

ILCは光とほぼ同じ速さに加速させた電子などを衝突させ宇宙が誕生した直後の状態を人工的に再現する巨大な地下の実験施設で、「北上山地」が候補地となっていますが、8000億円を超えると試算される巨額の建設費が見込まれています。

国の有識者会議は去年2月、日本に本部を置く準備研究所の設置について参加国とのコスト負担などの協議が進んでいないとして「時期尚早」とする見解を示しています。

総会では期成同盟会の発起人代表として一関市の佐藤市長が「東北でのILC建設の早期の実現に向け協力をお願いしたい」とあいさつしました。

また達増知事は「ILCの建設は学術的な意義だけでなく科学の発展や人材育成、東北の復興につながる事業で、県としても誘致活動に取り組んでいく」と述べ意欲を示すなど期成同盟会の構成メンバーはそれぞれ決意表明を行いました。

期成同盟会では今後、ILC建設の早期実現に向け国など関係機関への要望活動を強めていくとともに建設の機運の醸成を図ることにしています。