県警察学校で新人警察官の卒業式 盛岡

岩手県警察本部に採用され、警察学校で半年間の訓練などを終えた新人警察官の卒業式が行われました。

盛岡市の県警察学校で29日午前行われた卒業式には、ことし4月に採用された新人警察官27人のほか、家族などが出席しました。

新人警察官はこれまで半年間、警察官の職務に必要な刑法や刑事訴訟法をはじめとした法律や、逮捕術などを学んできました。

29日は式で1人ずつ壇上に上がり、学校長から卒業証書を受け取りました。

また、辞令が交付され配属される警察署と名前が読み上げられると大きな声で返事をしていました。

そして県警本部の森下元雄本部長が「謙虚さと柔軟な発想を持った県民に『出会ってよかった』と思われる警察官になってほしい」と訓示しました。

これを受けた答辞で藤島悟巡査が「正義を貫く力強さと心から寄り添う優しさを持った警察官として全身全霊を捧げ職務を全うすることを誓います」と述べました。

新人警察官たちは29日付けで県内の13の警察署に配属され、各地の交番で勤務するということです。

29日卒業式を迎えた新人警察官の中には11年前の東日本大震災の発生当時、小学5年生だった釜石市出身の男性もいて「被災者に寄り添える警察官になりたい」と思いを新たにしました。

釜石市鵜住居出身の海藤成樹巡査(22)は東日本大震災の発生当時、市内の鵜住居小学校の5年生で津波から高台へ走って逃げました。

しかし市内の自宅は津波で全壊し、祖母は、いまも行方不明のままです。

海藤さんはかつて被災者だった自分を支えてくれた人たちに恩返しがしたいと考え警察官を志すことを決め、ことし4月から半年間警察学校で学んできました。

そして29日無事に卒業式を迎え海藤さんは「入校当初は不安でいっぱいだったが警察官の基礎について学ぶことができ、完成はしていないが土台はできたと思う」とこれまでの半年間を振り返りました。

海藤さんは29日付けで盛岡東警察署に配属され、来月から交番勤務などをする予定です。

将来的には災害現場などで活動する機動隊の隊員になりたいと考えていて、「災害の現場で家族を探す人の気持ちが一番分かることが私の強みだと思う。被災者に寄り添える警察官になりたい」と思いを新たにしていました。

卒業式では釜石市に住む海藤さんの両親も駆けつけ母親の祐子さんは「震災後にお世話になった地域の人に恩返しをしたいと警察官の道を選んだと思う。強い心を持ってぶれずに前を向いて歩んでいってほしい」と涙ぐんでいました。