三鉄鉄道の今年度の決算 2年連続で赤字の見通し
岩手県や沿岸自治体が出資する第三セクターの三陸鉄道の今年度の決算は、2年連続の赤字となる見通しだということが21日の取締役会で示されました。
少子化による定期券利用者の減少や燃料費の高騰などが影響しているということです。
三陸鉄道の取締役会は21日、盛岡市内で開かれ、ことし4月から8月までの利用状況と今年度の決算の見通しが報告されました。
それによりますと、ことし4月から8月は観光客の利用がやや持ち直し、定期券以外の運賃収入が前年の同じ時期と比べおよそ42%増加したものの、沿線の少子化や三陸沿岸道路が開通した影響で、定期券による収入がおよそ8%減少しました。
さらに、燃料費の値上がりで1リットルあたりの価格が20円ほど高くなっていて、年間で見ると昨年度と比べ、およそ33%高くなる見通しということです。
このため、運賃などの事業収入から支出を差し引いた今年度の「経常損益」の見通しは、6億9600万円余りの赤字で、県からの補助金を含めた収入から支出を差し引いた「当期損益」も、5200万円余りの赤字となる見通しということです。
三陸鉄道の「当期損益」が赤字になれば2年連続となります。
三陸鉄道の石川義晃社長は「新たなイベント列車を企画し利用促進に努めるとともに、三陸沿岸道路との共存策についても検討していきたい」と話していました。