好調なのに働き方改革で閉店へ

盛岡市の地ビールメーカー、「ベアレン醸造所」は働き方改革の一環で従業員の休みを確保するため、JR盛岡駅のビルで営業している直営店を来月中旬に閉店することを決めました。

長時間労働や深刻な人手不足が課題となっている飲食業界で、働き方改革の動きが広がり始めています。
盛岡市北山のベアレン醸造所は、「ベアレンビール」という地ビールを生産・販売しているほか、盛岡市内の中心部の4か所で直営の飲食店を経営しています。
今回閉店を決めたのは盛岡駅の駅ビルの地下にある直営店で、3年前から営業して順調に売り上げを伸ばし、4つの直営店の中では2番目の売り上げがありました。
しかし、駅ビルの店舗は年末年始も営業するなどほぼ休みがないうえ、営業時間も午前10時から午後11時までとほかの店に比べて長く、長時間労働や休暇が取りづらいことなどが働き方改革を進めるうえで課題になっていたということです。
会社では、こうした状況が続けば、従業員が疲弊してアイデアが生まれにくくなり生産性も落ちるおそれがあることから、店の契約更新の時期に合わせて来月17日で閉店することにしました。
現在働いている従業員は、ほかの直営店か別の部署に異動するということです。
この店を訪れていた盛岡市の40代の男性は「出張からの帰りなどによく利用していた。閉店してしまうのはとても寂しい」と話していました。
売り上げが伸びる中で閉店に踏み切ったことについて、ベアレン醸造所の嶌田洋一専務は「今の営業を続けていくと、現場に無理が出てきてしまう。閉店することで、会社としての短期的な売り上げは落ちるだろうが、従業員が余暇を楽しむことで生まれる柔軟な発想や業務の効率化を通じて、長期的な視点で売り上げを伸ばしていきたい」と話していました。
県内の飲食店の経営者で作る組合の藤原和広さんは「駅ビルやデパートのテナントではほぼ無休で営業していて、店の都合で休みにすることができない。このため人繰りが難しく、売り上げが好調な店でも閉めて店を集約する動きが出ている。人手不足は深刻で、今後、こうした判断で閉店するような動きが広がっていく可能性がある」と話しています。