コウライオヤニラミが生息域拡大 大淀川水系のドジョウ捕食か

大淀川水系で固有種のドジョウなどを捕食していると考えられている、外来魚のコウライオヤニラミが生息域を拡大していることが、京都大学などの調査でわかりました。

外来魚のコウライオヤニラミは、朝鮮半島原産の淡水魚で観賞魚として輸入されていてこれまでの宮崎大学などの調査では、都城市を流れる大淀川の2つの支流の一部の流域にだけ生息が確認されていました。

去年5月、京都大学や北九州市立自然史・歴史博物館などがこの流域を中心とした市内55か所で調査したところ7割ほどにあたる39か所でコウライオヤニラミの生息が確認されたということです。

この結果、県内で初めて生息が確認された2017年からわずか数年で主要な支流を含む市内の流域のほぼ全域にコウライオヤニラミが生息域を広げていることが明らかになったということです。

一方、大淀川水系の固有種で、絶滅危惧種にも指定されているオオヨドシマドジョウは、1割ほどの6カ所での確認にとどまり、同じ地点では、コウライオヤニラミの生息も確認されているため、改めて捕食による絶滅のおそれがあることが浮き彫りになりました。

京都大学大学院情報学研究科の辻冴月助教は「コウライオヤニラミ自体には罪はないが害があります。外来魚を持ち出したり、放流するような行為は慎しんで欲しい」と話していました。