“生理による体調不良”県が公立高校入試の追試の導入検討へ

「我慢して受験するのが当然」そんな当たり前が変わっていくのかもしれません。
公立高校入試の追試験の対象に生理による体調不良を含める動きが全国で広がる中、そもそも追試自体を行っていなかった宮崎県も来年から導入する方向で検討を進めていることが明らかになりました。

これは18日行われた県議会の一般質問で黒木淳一郎教育長が明らかにしました。

質問した自民党の山口俊樹議員は去年からこの問題について質問を続けています。

その後、文部科学省が「生理による体調不良も公立高校入試の追試験の対象に含まれる」と通知を出し、追試の制度自体がなく、代わりに調査書などによる選考を行ってきた宮崎県の対応に注目が集まっていました。

18日の答弁で「来年の入試での追試の実施について検討を進めている」と述べた黒木教育長ですが、なぜ検討することにしたのかや肝心の生理による体調不良を対象に含めるのかは語りませんでした。

これを受けて山口議員は「そもそも生理による体調不良が追試の対象になるのかが質問の趣旨だった。今後の運用を定める中でこちらの対応もしっかりやっていただきたい」と念を押していました。

「生理による体調不良は本人の責任ではない」と認める今回の動きは「受験ではつらくても我慢するものだ」という旧来の考え方を見直していくきっかけにもなりそうです。

県立高校の入試で追試の導入が検討されていることについて、街の人からは生理による体調不良も対象になることを歓迎する声が聞かれました。

宮崎市の30代の女性は、「同級生には生理ですごく具合が悪くなったり、起き上がれなかったりする人もいた。追試という制度があれば平等に試験を受ける機会になるのでいいことだと思う」と話していました。

また宮崎市の20代の女性は「思春期の子からしたら生理だと打ち明けるのは恥ずかしいことだし、自分が我慢しないといけないという思いもあると思う。追試という形で社会が生理の問題を受け入れるようになれば、女性も生きやすくなるのではないか」と話していました。