南海トラフ巨大地震 新たな観測網の試験運用 来月開始へ

南海トラフ巨大地震に備え、日向灘から高知県沖にかけて整備が進められている新たな観測網の試験運用が来月から始められることになりました。

この観測システムは、南海トラフ巨大地震による揺れや津波をいち早く観測しようと防災科学技術研究所が5年前から整備を進めているもので日向灘から高知県沖にかけて地震計と津波計を設置し、海底ケーブルを通じてデータを集めます。

システムは沖合側と沿岸寄りの海底でそれぞれ整備が進められていて、文部科学省は、18日、このうち沖合側の整備が完了したと発表しました。

沖合側のケーブルは、長さおよそ900キロに渡り、串間市と高知県室戸市で陸上の通信施設と接続されています。

この区間には、地震による揺れや津波を観測する装置が18か所設けられていて、防災科学技術研究所では来月1日から試験的に運用を始める予定です。

一方、沿岸寄りの海底ケーブルの整備は、今年度末には完了する見通しだということです。

防災科学技術研究所では、このシステムの整備で、これまでより、地震は最大20秒程度、津波は最大で20分程度早く検知できるようになることを期待しています。