川の水質悪化で稲作に影響 えびの市長が県に早期の対応を要望

硫黄山の噴出物の影響で、宮崎県えびの市を流れる川の水質が悪化し、稲作に影響が出ている問題で、3日、村岡市長が県庁を訪問し、早期の対応を要望しました。

えびの市の村岡隆明市長と竹中雪宏市議会議長らは県庁で日隈俊郎副知事と面会しました。

硫黄山の噴出物が流れ込むえびの市の赤子川では、pH=水素イオン濃度の値がふだんより強い酸性を示し、岡元地区を中心とする159戸の農家で稲作ができなくなっています。

県は、上流のえびの高原に酸性の水を中和して下流に流す施設を整備していますが、現在は噴出物が雨のたびに流れ込み、水質改善の機能をうまく果たせていません。

要望書では、当面の対策として施設の噴出物を速やかに撤去することに加え、影響が長期化した場合は下流に代替水源を設けることなども求めています。

日隈副知事は「現地に視察に行ったが、平成30年に硫黄山が噴火したときよりも、水が白濁しているように感じた。県として補正予算を組んだり国に要望したりして迅速に対策を講じたい」と応じていました。

村岡市長は「地元だけでは対応しきれない部分もあり、将来的な対策を含め、県と一緒に検討していきたい」と話していました。