シーガイア運営「フェニックスリゾート」 2期連続の経常黒字

宮崎市のシーガイアを運営し、来月から経営権がアメリカの投資会社に移る「フェニックスリゾート」の昨年度の決算が発表され、開業以来初となる2期連続の経常黒字となりました。

「フェニックスリゾート」の片桐孝一社長がが31日、県庁で発表しました。

それによりますと、昨年度の売上高は115億6300万円で、前の年度に比べて6億3700万円、率にして5.8%増加しました。

新型コロナの5類移行を受けてスポーツキャンプの受け入れや会議・宴会が増え、団体宿泊数が2割増加したことが要因です。

一方、従業員のボーナスを引き上げたことなどで人件費を含む経費も増え、経常利益は7100万円と前の年度から300万円増にとどまりました。

ただ、フェニックスリゾートが2期連続で経常黒字を達成したのは1993年の開業以来、初めてだということです。

また31日はアメリカの投資会社「フォートレス・インベストメント・グループ」に経営権が移る6月1日からの新たな経営陣も発表されました。

社長にはフォートレス傘下のホテル運営会社の会長が就任し、片桐社長は副社長として引き続き経営を担います。

片桐社長は「これまでのお客様との関係を大切にしたうえでフォートレスのノウハウで新たな顧客を開拓し、さらなる成長を実現していきたい」と話していました。

【紆余曲折 30年の歩み】
シーガイアが全面オープンしたのは1994年。
県や宮崎市、民間企業が出資する第三セクターの「フェニックスリゾート」が2000億円以上の事業費を投じて整備しました。

地上43階建ての高級ホテルや世界最大級の屋内プール「オーシャンドーム」、それに国際会議場を備えた国内有数のリゾート施設として注目を集めます。

しかし、開業時点ですでにバブル経済は崩壊。
利用客の低迷で一度も黒字を出すこともなく、2001年に2700億円余りの負債を抱えて経営破綻しました。

その後、再建は株式を買い取って経営を引き継いだアメリカの投資会社の手に委ねられます。
不採算だった屋内プールの閉鎖や従業員の削減で合理化を進める一方、世界的なホテルチェーンと提携したり、新たな集客施設として温泉施設を建設したりしました。

2012年には、親会社がアメリカの投資会社から、ゲーム事業などを展開する「セガサミーホールディングス」に変わります。

再建の手応えが得られたのは、それから10年後でした。一昨年度の決算で7期ぶりに黒字を達成。
フェニックスリゾートの片桐社長は「事業再生のフェーズは完了した」という認識を示していました。

【新親会社 “継承と発展を”】
経営譲渡によって新たな親会社となる「フォートレス・インベストメント・グループ」の関係会社の幹部が今月27日に県庁を訪れ、河野知事と面会しました。

県によりますと、この中で、グループが日本国内で展開しているホテルやゴルフ場の事業のノウハウを生かし、これまでのシーガイアの取り組みを継承・発展させる考えが幹部から示されたということです。
また、従業員の雇用維持も明言されたということです。

新たな親会社は来月18日に会見し、今後の経営方針などについて説明することにしています。