性的暴行罪に問われた都城工業高専の元職員に懲役23年の判決

性的暴行罪に問われた都城工業高専の元職員に懲役23年の判決

教え子ら女性7人に睡眠導入剤を飲ませて性的暴行をした罪に問われた都城工業高専の元技術職員の裁判で、宮崎地方裁判所は「被害者らの信頼につけ込んで計画的に犯行に及んでいて、卑劣というほかない。同じような事案の中でも最も重い部類に属するというべきだ」などとして、懲役23年の判決を言い渡しました。

都城工業高専技術支援センターの元技術職員、津浦洋一被告(59)は、2015年から去年まで7年あまりに渡って、教え子ら女性7人に対し、睡眠導入剤を飲ませて性的暴行をした罪に問われています。

これまでの裁判で検察は「被害者らの絶対的な信頼を逆手に取った卑劣極まりない犯行だ」などとして、有期刑の上限である懲役30年を求刑していました。

20日の判決で、宮崎地方裁判所の船戸宏之裁判長は「被害者らの信頼につけ込んで計画的に犯行に及び、卑劣というほかない。また、長期間にわたり犯行を常習的に繰り返していて極めて厳しい非難が妥当だ」と指摘しました。

そのうえで、「被害者らは多大な精神的苦痛を受けていて、犯行の結果は重大というべきで、同じような事案の中で最も重い部類に属する。懲戒免職処分を受けたことなどの事情を考慮しても長期の懲役刑は免れない」として懲役23年の判決を言い渡しました。


【都城工業高専の対応】

今回の事件では被害者が7人に及び、「学校側が犯行に気づき、被害を止めることはできなかったのか」という疑問が浮かびます。

しかし、津浦被告が勤務していた都城工業高等専門学校は、事件の発覚以降、一度も記者会見などの説明の場を設けていません。

これについて学校は、判決を前に報道機関に送った文書の中で、「被害者の2次被害防止が最も重要との考えから記者会見は行っていない」、「生徒や保護者には学校説明会の場で説明をしている」としています。

一方、被害に遭った人に対しては、今月15日付けで電話による相談窓口を設けたということです。

学校として被害者の心のケアに当たるほか、相談のうえ、慰謝料や見舞金を支払う用意があるとしています。