全国の知事が東京一極集中是正へ議論 宮崎市

地方への人の流れを作り東京一極集中を是正しようと全国の知事が話し合う会合が宮崎市で開かれ、女性や若者への多様な支援を通じて人口減少対策に取り組むことを確認しました。

この会合は人口減少に歯止めをかけようと、全国各地の知事で作る「日本創生のための将来世代応援知事同盟」が開いたもので、宮崎市のシーガイアには16人の知事が集まりました。

はじめに社会動態に詳しい北九州市立大学大学院の平田エマ教授が、人口減少が進む中で東京一極集中が加速していて、特に子どもを産む世代の女性の地方からの転出が人口減少を加速させる要因となっていると説明しました。

これを受けて出席した知事たちは、少子化対策や若者、女性が地方に残る施策などについて意見を交わしました。

このうち、島根県の丸山知事は「雇用が集中する東京に人口が集中するという状況を制度的に分散する必要があり国をあげて本格的に取り組んでいくべきだ」と述べたほか、宮城県の村井知事は「出生率の低い東京に子どもを産む世代の女性が集まる“ブラックホール現象”への対策に取り組んでいくべきだ」と述べ、相次いで東京一極集中の是正について提言しました。

このほか、岩手県の達増知事は「医療費の助成や保育・教育の無償化は自治体の財政力の差によらず全国同等の水準で行われるべきだ」と述べていました。

そして最後に、若者や女性が活躍できるように働き方をはじめ医療や子育て・教育など多様な支援を通じて地方へ人や企業を分散させて、成長力のある社会を実現し、人口減少対策に取り組むなどとする声明を採択しました。

会合後の共同記者会見で、宮崎県の河野知事は「現在の人口減少の実態を考え、もっと強い危機感を国全体で共有すべきだということを確認できた。国家戦略として人口減少問題に取り組む大きなうねりを作っていきたい」と強調しました。