シーガイア運営会社全株を米投資ファンドに売却へ セガサミー

宮崎市のリゾート施設、「シーガイア」を運営するフェニックスリゾートの親会社、セガサミーホールディングスは保有するフェニックスリゾートの株式をアメリカの投資ファンドに売却することを発表しました。
ホテル事業で実績のある投資ファンドの運営のもと、稼働率の改善などを目指すということです。

セガサミーによりますと保有するフェニックスリゾートのすべての株式をアメリカの投資ファンド、「フォートレス・インベストメント・グループ」の関係会社に売却することを10日、取締役会で決議したということです。

売却は今月末に完了する予定で、特別利益としておよそ85億円を今年度の決算に計上する見込みです。

シーガイアは2001年に経営破たんしたあと海外の投資会社のもとで事業を続け、2012年からセガサミーの完全子会社となっていました。

売却先のフォートレスは2011年以降、日本国内で176棟のホテルを取得していて、実績のある投資ファンドのもと今の従業員の雇用を守りながら、施設の稼働率の改善や利用者層の拡大を目指します。

セガサミーは株式の売却後、新たに一部の株式を取得して関係を維持する一方、経営資源を主力のゲーム事業などに集中する狙いです。

セガサミーは、「ホテルやリゾート事業で豊富な経験や知識を有するファンドが運営を主導することが企業価値の最大化のために最善であると判断した」としています。

セガサミーホールディングスの里見治紀社長グループCEOは10日の決算説明会で今回の売却について、「2期連続の黒字となり、社員へのボーナスを支給できるようになるなどリゾートとしての再生が終わったタイミングだった。我々にとっては投資を回収する段階だったが、提案を受けたファンドはさらに投資を行い、従業員の雇用も引き続き守るということだったので、ノウハウもあるオーナーに引き継いだ方がリゾートの価値を高めてくれると考えた。運営会社を売却したいとは思っていなかったが、提案を受けて議論した結果だ」と述べました。

フェニックスリゾートの株式売却が決まったことを受けて河野知事は10日夕方、報道陣の取材に応じ、「シーガイアは本県の観光コンベンションであり、さらには県が進めるスポーツ合宿の誘致などスポーツランドの取り組みにも極めて重要だ。株式が譲渡されたあと施設の大きな強みをさらに生かしていただくことを期待しつつ今後の運営方針を注視していきたい」と考えを示しました。