串間市の官製談合防止法違反事件 社員2人に有罪判決

宮崎県串間市が発注した消防庁舎の設計の入札をめぐり、参加する業者の選定を特定の設計会社に有利な案にするなどしたとして元副市長など4人が官製談合防止法違反などの罪に問われた裁判で、宮崎地方裁判所は設計会社の社員2人に対し、執行猶予のついた判決を言い渡しました。

去年3月、串間市が発注した消防庁舎新築工事の設計の指名競争入札をめぐり、市の担当職員に福岡市の久米設計に有利となる業者の選出案を作成させるなどしたとして、元副市長など4人が官製談合防止法違反などの罪に問われました。

このうち、久米設計の九州支社長だった高崎強被告(57)と営業担当だった平野満哉被告(66)の裁判では、検察が懲役1年を求刑していました。

9日の判決で、宮崎地方裁判所の船戸宏之裁判長は「2人は希望する業者を選定し副市長に伝えるなどしていて、その役割はともに重要で刑事責任は軽くない」などと指摘しました。

その上で、「事実を認めて反省の態度を示し、真相解明に貢献したと見られる」などとして、高崎被告に懲役1年、平野被告に懲役10か月のいずれも執行猶予のついた判決を言い渡しました。

弁護側は控訴しない方針で、判決が確定する見通しです。