宮崎国際音楽祭音楽監督の徳永二男さん 4つの町で巡回演奏会

宮崎国際音楽祭の音楽監督でバイオリニストの徳永二男さんがクラシックコンサートが開かれる機会の少ない地域を巡回する演奏会が、9日、綾町で開かれました。

演奏を披露したのは宮崎国際音楽祭の音楽監督の徳永二男さんです。

ことしの音楽祭では、徳永さんが大きな音楽ホールがなくクラシックに触れる機会の少ない高千穂町や日之影町など4つの町を巡り、体育館や小ホールで特別に演奏会を開いています。

9日、綾町公民館で開かれた演奏会には町内の小中学生など660人が集まりました。

徳永さんがピアニストの林絵里さんの伴奏に合わせて、「超絶技巧」と呼ばれる巧みな早弾きが特徴のサラサーテ作曲の「ツィゴイネルワイゼン」やチャイコフスキーの「メディテーション」など5曲の演奏を披露しました。

小学生たちは巨匠が奏でる繊細なバイオリンの音色に聴き入っていました。

また、演奏の合間に、徳永さんがバイオリンの音が出る仕組みや歴史を解説すると、興味深そうに聞いていました。

小学6年生の男の子は「1本の弓だけであんな音が出せるとは思わなかった」と話していました。

徳永さんは「一生懸命に聞いてもらえてとても良かった。皆さんの心のどこかに残ってくれたらうれしい」と話していました。

【宮崎国際音楽祭と徳永二男さん】
ことしを最後に宮崎国際音楽祭の音楽監督を退任する徳永二男さんは、30年近くの間、音楽祭を支え続けてきました。

音楽祭の創設時には「バイオリニストの神様」と言われた巨匠で故人のアイザック・スターン氏に参加を熱心に働きかけて実現させました。

徳永さんは「皆さんに一番よい音楽を聴いてほしいという思いが頭にあった。スターン氏の参加が世界中で話題になったほか、音楽祭の基礎を作ってくれた」と振り返りました。

今後の音楽祭への期待については「スタンスを変えず、今まで築いてきた音楽をより上質に、すばらしいものにしていくことが一番大切だ」と話していました。