あしなが育英会の奨学金 県内では希望者の半数給付受けられず

物価高騰などを背景に病気や災害などで親を亡くした子どもたちを支援する「あしなが育英会」の奨学金の申請者が急増し、宮崎県で希望者の半数が給付を受けられない状況に陥っていることがわかりました。

あしなが育英会では、病気や災害などで親を亡くした、子どもたちに寄付をもとにした奨学金を給付・貸与しています。

このうち、高校の奨学金の申請者が物価高騰などを背景に生活困窮世帯が増加したことや一部、貸与だったものが返還の義務がない全額給付に変更になったことから急増しているということです。

このため今年度はすでに10億円余りが不足し、全国で過去最多の1800人が申請したものの半数以上の985人が給付を受けられず、宮崎県でも28人の申請に対し、14人が給付を受けられない状況に陥っているということです。

加えて今年度はさらに全国で800人程度の申請が見込まれていて、申請者全員に給付する場合は、およそ28億円の資金が必要だということです。

9歳の時に父親を亡くし、あしなが奨学金を利用して宮崎大学に通うあしなが学生募金事務局の県代表、児玉健一さん(20)は「経済的に厳しい家庭が給付されず、残念です。自分もあしなが育英会の奨学金がなければ、今の生活はありませんでした。多くの学生が給付されるよう、寄付を呼びかけたいです」と話していました。

あしなが学生募金事務局では、今月27日と28日、宮崎市中心部で街頭募金活動を行い、支援を呼びかけることにしています。