「高次脳機能障害」社会参加へ向けた訓練の教室始まる 宮崎市

事故や病気による脳の損傷で記憶力などが低下する「高次脳機能障害」の人が就労などの社会参加に向けた訓練を受ける今年度の教室が9日から宮崎市で始まりました。

「高次脳機能障害」は事故や病気による脳の損傷で記憶力や注意力が低下し、日常生活に支障がでる障害で外見からはわかりにくく、令和3年度の県の推計では県内におよそ4200人がいるとされています。

県はおととしから高次脳機能障害の人を対象に宮崎市に社会参加などに向けた訓練を行う教室を設けていて、今年度の教室が9日から始まりました。

開所式には受講生6人と家族などが出席し、はじめに当事者の家族らで作る「みやざき高次脳機能障がい家族会あかり」の飛田洋会長が「このような教室ができ心から喜んでいます。半年間の受講を通じて次のステップに進んでいただきたい」とあいさつしました。

このあと受講生たちはボールを投げて目標までの距離を競うゲーム、「ペタンク」で親睦を深めました。

受講生は今後半年をかけて作業療法士のサポートのもと記憶力などの低下を補う手段や習慣を身につけ、将来的な就労や運転免許証の取得を目指すということです。

受講生で門川町の林田実さん(55)は「記憶力が低下しているのでまずは自分の障害を理解して不足している部分を改善することで就労につなげたい」と話していました。