串間市の官製談合 業者の社員2人に懲役1年求刑 宮崎地裁

串間市が発注した消防庁舎の新築工事をめぐって元副市長など4人が官製談合防止法違反の罪に問われた事件で、18日、設計会社の社員2人の初公判が開かれ、検察はいずれも懲役1年を求刑しました。

去年3月、串間市が発注した消防庁舎新築工事の設計の指名競争入札をめぐり、市の担当職員に福岡市の久米設計に有利となる指名業者の選出案を作成させるなどしたとして、元副市長など4人が官製談合防止法違反などの罪に問われています。

事件当時、久米設計の九州支社長だった高崎強被告(57)と営業担当だった平野満哉被告(66)の初公判が18日宮崎地方裁判所で開かれ、いずれも起訴された内容を認めました。

事件の経緯について、検察は冒頭陳述で「被告らは談合に応じる可能性の高い県内外の業者のリストを作り、元副市長に伝えた」と指摘しました。

その後の論告では「落札には至らなかったものの、入札の公正が阻害される危険性が極めて高い行為で、本来であれば指名業者として選出される予定だった複数の会社が入札機会を奪われた」と述べ、懲役1年を求刑しました。

これに対し、弁護側は「被告らから主体的に働きかけていたわけではなく、2人とも深く反省している」と述べ、執行猶予の付いた判決を求めました。

判決は、ことし5月に言い渡される予定です。