「宮崎本大賞」発表され授賞式 書店員などがイチ押しの1冊

県内の書店の店員や図書館の司書などがイチ押しの1冊を投票で選ぶ「宮崎本大賞」が発表され、ことしは兵庫県出身の作家、垣谷美雨さんの小説「うちの父が運転をやめません」が受賞しました。

「宮崎本大賞」は書店や図書館に立ち寄るきっかけ作りにつなげようと、4年前から始まったものです。

ことしは、垣谷美雨さんの小説「うちの父が運転をやめません」が選ばれ、8日は宮崎市の書店でこの本を担当した編集者が出席して授賞式が行われました。

中では編集者から「さまざまな社会問題をテーマに物語を書いてきましたが、本当の豊かさとは何なのかを考えるようになりました。この思いを共有していただき、一緒に考えていただけるとうれしいです」と垣谷さんのコメントが読み上げられました。

大賞に選ばれた「うちの父が運転をやめません」は、高齢の父に息子が車の運転をやめるようにさまざまな提案を繰り返す物語を通して、今の社会をどう生きるかを考える作品です。

実行委員会によりますと、高齢ドライバーに関する社会問題をさまざま年代の登場人物を通して読者の身近な出来事として描き、共感を生んだことなどが高く評価されたということです。

作品の編集を担当した山崎貴之さんは「本好きのみなさんが推薦してくださり、選ばれたことがうれしい。いろいろな世代に届く作品だったので選んで頂けたと思う」と話していました。

「宮崎本大賞」の小宮山剛実行委員長は「これまであまり本に触れてこなかった人がこれをきっかけに近くの書店に足を運んでくれたらと思う」と話していました。