延岡市 「空飛ぶクルマ」に人が乗り試験飛行

救急医療や災害現場に導入することを目指している「空飛ぶクルマ」の動きや安全性を確認しようと、延岡市は2日、人が乗った機体で試験飛行を行いました。

「空飛ぶクルマ」は垂直に離着陸し、電動で空を移動する次世代の乗り物で延岡市は救急医療や災害現場への導入を目指し、国の交付金を活用して5年間でおよそ8億円を投じて運航体制を整えることを計画しています。

2日は空飛ぶクルマがどのような乗り物なのか、その動きや安全性などを確認するため市内にある大学のグラウンドで試験飛行が行われました。

空飛ぶクルマは幅5.6メートル、高さが1.8メートルの2人乗りで、1回目は無人で、2回目は実際に機体の実用化を目指している岡山県の団体のメンバーが乗り込んで飛行しました。

機体はプロペラが回りだすと、20メートルの高さまで垂直に離陸し、徐々に高度を上げて50メートルまで上昇すると、時速35キロほどまで加速しながら500メートルほどの距離をおよそ5分間、飛行しました。

この試験飛行をめぐっては、去年6月の市議会で読谷山市長がおよそ1億円の事業費を盛り込んだ補正予算案を提出したところ、一部の議員からの反対で否決され、その後、一転可決されるという経緯をたどっていました。

延岡市は3年後の実用化を目指し、今後も試験飛行を続けて安全性などを検証していくということです。

試験飛行を見た延岡市医師会の佐藤信博会長は「風が強い中、非常に安定した走行だった。患者や医師も安心して乗れるのではないかと思った。空飛ぶクルマが実現すれば助かる命もあるだろうし、非常時でも役立つと思う」と話していました。