串間市官製談合の初公判 仲介役の元会社役員に懲役1年求刑

串間市が発注した消防庁舎新築工事の設計の指名競争入札をめぐり、参加する業者の選定を特定の業者に有利な案にするなどしたとして、元副市長など4人が官製談合防止法違反などの罪に問われた事件で、27日、仲介役の元会社役員の初公判が開かれ、検察は懲役1年を求刑しました。

去年3月、串間市が発注した消防庁舎新築工事の設計の指名競争入札をめぐり、市の担当職員に福岡市の久米設計に有利な指名業者の選出案を作成させるなどしたとして、元副市長など4人が官製談合防止法違反などの罪に問われています。

27日は宮崎地方裁判所で元副市長と業者の仲介役とされる串間市の元会社役員、堀口三千年被告(73)の初公判が開かれ、堀口被告は起訴された内容を認めました。

検察は冒頭陳述で「被告は久米設計に対して、談合に応じる可能性の高い県内外の業者のリストを作成させ元副市長に渡した」と事件の経緯を説明しました。

この後行われた論告で、検察は「串間市では以前から久米設計やコンサルタント会社と癒着し、その延長として今回の入札で久米設計に落札させるため、リストを提出させた」と指摘しました。

そのうえで「落札には至らなかったものの、入札の公正が阻害される危険性が極めて高い行為で、本来であれば指名業者として選出される予定だった複数の会社が入札機会を奪われた。被告は犯行の実現に極めて重要な役割を担っていて刑事責任は重い」として懲役1年を求刑しました。

これに対して弁護側は「被告の関与の程度は著しく低く、対価も得ていない。素直に認めて反省している」として、執行猶予の付いた判決を求めました。

判決はことし4月に言い渡される予定です。

起訴された4人のうち、裁判が開かれたのはこれが初めてです。