旧飫肥藩士の名を冠した木材市「野中市」開催 日南市

江戸時代に杉の植林を進めた旧飫肥藩の藩士の名を冠した木材市が20日、日南市で開かれました。

飫肥藩の藩士、野中金右衛門は江戸時代、現在の日南市の山の一帯に飫肥杉の植林を進め、やがて地元の特産となりました。

この時期、日南市で開かれる木材市は野中の名を冠して「野中市」と呼ばれていて、県内で伐採された樹齢45年から80年ほどの飫肥杉の丸太、およそ5000立方メートルが集まりました。

県内や鹿児島県の製材業者ら50人ほどが買い付けに訪れ、切り口の色合いや年輪の美しさを確かめながら入札価格を紙に書いて落札していました。

国産の木材の価格はバイオマス発電の需要や、中国など海外向けの輸出が増加していることから、ことしに入って上昇傾向で、19日の最高値は1立方メートルあたり1万6700円と入札が好調だった去年とほぼ同じ水準でした。

日南製材事業協同組合の河野宗九郎理事長は「消費者のみなさまに木造住宅を大いに建てていただき、木材需要の増加につながればうれしい」と話していました。