“観光列車で夢を実現” 当選したグループが宮崎で卒業旅行

県内を走る観光列車「海幸山幸」を貸し切って、コロナ禍でかなわなかった大学の卒業旅行をしたい。
こうした大阪の若者グループの夢をかなえようと、JR九州と県観光協会が無償で特別列車を運行しました。

「夢列車」と銘打ったこの企画は、県外の人に宮崎の魅力を知ってもらう機会にしようとJR九州と県観光協会が行ったものです。

宮崎駅と日南市の南郷駅を結ぶ観光列車の「海幸山幸」を貸し切って、実現してみたい夢を一般から募ったところ、68件の応募がありました。

このうち、「コロナ禍で実現できなかった大学の卓球部の仲間たちと宮崎県で卒業旅行がしたい」という大阪府の会社員、西秀俊さん(24)の夢が抽せんで選ばれました。

西さんと卓球部のOBなど12人は2日、宮崎駅で列車に乗り込み、県のシンボルキャラクターの「みやざき犬」などに見送られながら出発しました。

一行は、車内で談笑しながら海幸山幸限定の駅弁を食べたり、車窓から青島の「鬼の洗濯板」を眺めたりして列車の旅を楽しんでいました。

およそ20万円の貸し切り費用などは、JRと観光協会が全額負担します。

西さんたちは2日夜、宮崎市内に宿泊し、3日はレンタカーで青島や日南方面を観光する予定です。

西さんは「大学時代、新型コロナで遊びに行けなかったのがすごく残念で、今回集まることができてうれしい。一番の電車旅ができました」と話していました。