南海トラフ巨大地震観測網整備工事で海底ケーブル陸揚げ 串間

南海トラフ巨大地震の津波などをいち早く観測しようと日向灘から高知県の沖合に地震と津波の大規模な観測網を整備する工事で、観測したデータを送る海底ケーブルを陸上の施設につなぐため陸揚げする作業が宮崎県串間市で行われました。

この観測網は、防災科学技術研究所が南海トラフ巨大地震の津波などをいち早く観測しようと、日向灘から高知県の沖合に地震計と津波計を設置し、海底ケーブルを通じてデータを収集します。

26日は、沖合およそ900キロに渡り敷設される海底ケーブルを串間市の通信施設につなぐため陸揚げする作業が行われ、沖合の船から繰り出されたケーブルが重機でゆっくりと引き上げられました。

防災科学技術研究所は南海トラフ巨大地震が想定される海域で地震や津波の大規模な観測網を運用していますが、日向灘から高知県の沖合にかけてはこれまで観測網が整備されていませんでした。

観測網は、再来年度にも本格的な運用が始まり、地震は最大20秒程度、津波は最大で20分程度これまでより早く検知できることが期待され、気象庁ともデータを共有して迅速な情報発表に役立てられるということです。

防災科学技術研究所地震津波火山ネットワークセンターの青井真センター長は「近い将来に南海トラフ巨大地震が想定されているので、地震や津波の災害が少しでも減らせるようにデータを収集し貢献したい」と話していました。