チョウザメの稚魚からメスだけ生む「超メス」の個体選びに成功

宮崎県水産試験場などの研究グループは、チョウザメの稚魚の中から、メスだけを生む「超メス」と呼ばれる特殊な個体を選び出すことに成功したと発表しました。
チョウザメの性別が分かるまで通常は生後2年から3年ほどかかるため、今後、効率的な養殖とキャビアの生産につながることが期待されます。

研究を行ったのは、宮崎県水産試験場と近畿大学の研究チームで、14日、小林市にある水産試験場の施設で成果を発表しました。

チョウザメは、おなかを開いて生殖腺が見分けられるようになるまで生後2年から3年ほど養殖しなければ性別が分からないため、メスのチョウザメの卵からキャビアを生産する際、効率の悪さが課題でした。

このため、研究チームは子どもが全てメスになる遺伝子を持つ「超メス」と呼ばれる特殊なメスの個体に注目。

「ロシアチョウザメ」の精子に紫外線を当てるなどの方法で「超メス」の稚魚を高い確率で生み出すとともに、新たに開発した遺伝子検査の方法を使って「超メス」とみられる稚魚だけ、101匹を選び出したということです。

研究チームでは、これらの稚魚を7年ほどかけて育てたうえでオスと交配させ、実際に、生まれる子が全てメスになるのかや、キャビアを採取できるのかを確認することにしています。