耕作放棄地活用し和牛放牧 岩田篤徳さん 全国表彰で県に報告

日之影町で耕作放棄地を活用した和牛の放牧に取り組む、岩田篤徳さんが農業関係の全国団体の表彰を受け、県庁に報告に訪れました。

岩田さんが受章したのは、公益社団法人の大日本農会が行う農事功績表彰です。

岩田さんは、耕作放棄地の斜面をみずから切り開いておよそ10ヘクタールの放牧地を作り、子牛を産む母牛20頭を育てています。

ロシアによるウクライナへの侵攻などで牛の餌となる穀物の価格が高騰する中、自然に生える草を食べさせることによる低コストで、持続可能な経営を実現していることが評価されました。

岩田さんによりますと、今月東京で行われた表彰式のあとのパーティの席で、会の総裁を務める秋篠宮さまから「放牧はどうですか」と声をかけられ、「牛が跳ね回って楽しそうに暮らしています」などと説明したということです。

岩田さんが始めた放牧は徐々に広がりを見せていて、高千穂町や日南市などで新たに挑戦する農家が出ているほか、全国からも視察が相次いでいるということです。

岩田さんは「身に余る光栄だが、自分としては『牛飼いの原点に戻っただけだ』と理解している。山を切り開いて放牧地を作るのは時間がかかるので、今後は行政が場所を用意して農家にリースするようなことも必要ではないか」と話していました。