九州保健福祉大の元助教の雇い止めの無効などを命じる判決

延岡市の九州保健福祉大学から雇い止めを受けた元助教の女性が地位の確認などを求めた裁判で、宮崎地方裁判所延岡支部は雇い止めの無効とその間の賃金2000万円余りの支払いなどを命じる判決を言い渡しました。

この裁判は九州保健福祉大学の薬学部で助教を務めていた40代の女性が5年前、雇い止めにあったのは不当だとして、地位の確認や賃金の支払いなどを求めていました。

6日の判決で、宮崎地方裁判所延岡支部の和田将紀裁判長は「原告は担当教授からも高く評価されていたことなどから契約の更新を期待する合理的な理由が認められる」などと指摘しました。

その上で大学側の雇い止めについて「客観的に合理的な理由があるといえず社会通念上、相当であると認められない」として、無効とする判決を言い渡しました。

そして、大学側に対しておよそ5年の雇い止めの間の賃金2000万円余りの支払いなどを命じました。

判決を受けて原告の女性は「長い戦いだったので、雇い止めは無効だという判決はうれしいし、一区切りついた。助教としてまた働きたいし、それができないのであれば最後まで争っていきたい」と話していました。

一方、九州保健福祉大学は「判決内容を確認出来ていないのでコメントは差し控える」としています。

この雇い止めをめぐる裁判では原告の女性とともに訴えを起こしていた別の元助教や元助手の合わせて3人についてはことし1月、大学側と和解が成立していました。