「霧島酒造」麦と米原料の焼酎発表 イモ以外の焼酎で市場開拓

都城市に本社を置く焼酎メーカー「霧島酒造」は、麦と米を原料にした焼酎の新商品を来月から販売することを発表しました。
「サツマイモ基腐病」で芋焼酎の原料の確保が難しくなるなか、イモ以外を原料にした焼酎の販売で新たな市場を開拓し、売り上げの確保につなげたいとしています。

新たに開発したのは、あじさいの花から採取した酵母などを使ったフルーティーな香りが特徴の麦焼酎「霧島ほろる」と、米焼酎「霧島するる」の2つで、来月13日から販売を始めます。

販売する焼酎のほぼすべてが芋焼酎の霧島酒造では、イモを腐らせる病気「サツマイモ基腐病」の影響で計画どおりの量のイモを確保できない状態が続いていて、芋焼酎の一部の主力商品の販売を休止しています。

さらに会社では、6年前に年間の売り上げが減少したことをきっかけに、イモだけに特化した焼酎作りでは今後、収益の確保は難しくなると考えて、新たな商品の開発を進めていたということです。

イモ以外の原料の焼酎の販売はおよそ20年ぶりで、今後、この2つの新商品を通じて新たな市場を開拓することで、売り上げの確保につなげたいということです。

江夏拓三代表取締役専務は「イモの生産は先行きが不安定な状況が続いているが、そうしたなかでも焼酎産業の足場を築いていかなければならない。今後、新商品への反応を見極めてさらなる一手を考えていきたい」と話していました。