教員免許持つ “ペーパー教員”対象に県教委が宮崎市で説明会

教員のなり手が減る中、免許を取得したものの、教壇に立った経験のない人などに採用試験を受けてもらおうと、先生の働き方や魅力を紹介する説明会が30日、宮崎市で開かれました。

この説明会は、県教育委員会が開いたもので、教員免許を持ちながら先生として働いた経験がなかったり、出産や子育てで長期間、現場を離れたりしている、いわゆる「ペーパーティーチャー」の人、合わせて35人が参加しました。

この中で、近年、働き方改革を通じて県内の教員の時間外労働が徐々に減っていることや、生活に合わせて働く時間を選べるフレックスタイム制が今年度から導入されたことが紹介されました。

県教委によりますと、県内では10年余り前に14.2倍だった公立学校の採用試験の受験倍率が、今年度には2.8倍に落ち込み、中学校の国語など特定の科目では定員割れとなりました。

このため、教員のなり手と質の確保が差し迫った課題になっているということです。

高校の工業科目の教員免許を持つ50代の塾講師の男性は「先生は大変だというイメージがあったが、時間外労働が減っているのが分かった。やってみたい気持ちが確信に変わった」と話していました。

県教育庁教職員課の花房英晴さんは「今後、参加者には学び直しの研修の機会を提供するので教壇に立ってもらいたい。働き方などについて個別に相談できる場も充実させていきたい」と話していました。

一方、中学校と高校の国語の教員免許を持ちながら、現場で教えた経験がないという50代の女性は「説明会を受けてみて魅力的な仕事だと改めて感じた。しかし、受験のための指導をするのはすごく責任が求められるので、経験者じゃないと難しいのかなと感じる」と話していました。