“空飛ぶクルマ”救急救命で活用目指す 延岡市が試験飛行計画

延岡市は、次世代の乗り物として注目されるいわゆる「空飛ぶクルマ」を救急救命の現場で活用することを目指し、年内に試験飛行を行うことを計画しています。

ドローンなどの技術を応用して飛行する「空飛ぶクルマ」は国内外で開発が進められ、延岡市では4年後の令和9年度に導入することを目指しています。

具体的には、空飛ぶクルマを使って患者の搬送したり、救急現場に医師を派遣したりするほか、災害時の救助活動にも活用することを検討しています。

市では、この空飛ぶクルマを所有する企業の協力を得て、ことしの年末に市内で試験飛行を行うことを計画し、必要な費用7950万円を盛り込んだ補正予算案を16日に開会する市議会に提出することにしています。

現在、延岡市から高度な救命処置が必要な患者を遠方の病院に運ぶため宮崎大学に配備されたドクターヘリによる搬送を要請すると、到着までに30分ほど待たなければなりません。

医療現場では、救急要請から医師の処置開始までの時間が30分を超えると救命率が大きく下がるとされています。

市は、空飛ぶクルマの活用で搬送時間の問題を解決したいとして、試験飛行に向けて離着陸場や飛行ルートの選定などの準備を進めることにしています。

読谷山洋司市長は「救急医療や災害救助で多くの命を救えるよう一日も早く実現したい」と話しています。