新型コロナ5類移行1か月 検査受けない人増加に懸念の声

新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行して8日で1か月です。
県内の医療関係者によりますと、発熱などの症状を訴えてクリニックを訪れたのに新型コロナの検査を受けない人が増えているということで、潜在的な感染の広がりを懸念する声が出ています。

宮崎市吉村町の「こまき内科」では、7日までの1週間に合わせて20人が発熱などの症状を訴えて受診しました。

小牧斎院長は新型コロナの抗原検査を勧めていますが、およそ半数の患者は検査を受けず、解熱剤などの処方を希望したということです。

検査を受けない理由として院長が考えているのが費用の問題です。

以前は全額公費負担だった検査費用は、5類移行後は個人負担となり、このクリニックでは初診料と合わせて3000円程度かかるようになりました。

小牧院長は「『軽症ならばお金を出してまで検査をしなくてもいい』、『それなりの対応で薬をもらえればいい』という感覚のようだ。検査をしてきちんと診断を受けようという意識は下がっている」と話しています。

中には院長が強く勧めて検査を受けてもらった結果、新型コロナの陽性が判明したケースもありました。

小牧院長は「感染しながら社会生活を続けている人も少なくないと考えられ、社会の中で潜在的に感染が広がっている可能性はある。後遺症の問題もあるので、できるかぎり検査を受けてほしい」と話していました。