通園バス園児取り残し防ぐ 設置義務づけの安全装置を取り付け
去年、静岡県で3歳の女の子が通園バスに取り残され死亡した事件を受け、安全装置の設置が義務づけられてからおよそ2か月がたつ中、宮崎市の幼稚園では業者に依頼していた安全装置がようやく取り付けられました。
去年、静岡県の認定こども園で3歳の女の子が通園バスの車内に取り残されて熱中症で死亡した事件を受けて、国は今年度から全国の保育所や幼稚園などの送迎バス、合わせておよそ4万4000台に安全装置の設置を義務づけています。
これを受けて宮崎市佐土原町のひろせ幼稚園では、ことし2月の段階で安全装置の設置を業者に依頼しましたが、在庫がなく入荷を待っていました。
幼稚園に安全装置が届いたのは注文から3か月がたった先月末で、作業員が車内の内装を一部取り外して配線を通し、警報装置やセンサーを取り付けました。
取り付けた安全装置は2種類で、▽運転手がエンジンを止めて鍵を抜くとアラームが鳴り、後部座席まで移動して子どもたちが全員降りたか確認してボタンを押さないとアラームが止まらないものと、▽子どもたちが降り、車のドアを閉めたあとで車内で動くものを感知したら大きな警報音が鳴って知らせるものです。
さらに幼稚園では、安全装置だけに頼らず、園児が降りたあと、職員がチェック表で再度確認するソフト面での対策も継続していくということです。
ひろせ幼稚園の大塚真美園長は「装置が付いて保護者の方々にもやっと安心してもらえるようになったと思います。今後は装置も活用しつつ、これまで同様職員の目でしっかり子どもを守るということを行っていきたい」と話していました。
宮崎県では、今月上旬をめどに県内の幼稚園と保育所など合わせておよそ500か所の安全装置の設置状況を調査することにしています。
県では「設置までは1年間の経過措置はあるものの、これから気温が高くなるのでなるべく早く設置されるよう周知していきたい」と話しています。