飼料価格高騰 子牛価格急落で繁殖農家からは不安の声

宮崎県内で生産される子牛の価格が今月に入って急落しています。
ウクライナ情勢などを受けた飼料価格の高騰が影響していて、関係者からは和牛の産地としての持続可能性に不安の声も上がっています。

県内有数の和牛の産地、都城市の家畜市場では16日から生後10か月ほどの子牛の競り市が始まりました。

16日は362頭が競り落とされ、平均価格は1頭当たりおよそ57万円と先月と比べおよそ5万円安くなりました。

子牛価格の低迷にはウクライナ情勢が大きく影響しています。

子牛を競り落とした肥育農家は2年ほど育ててから和牛として出荷しますが、餌の中心を占める輸入穀物の価格が高騰し、生産コストが増大しています。

そのため子牛を仕入れる価格を抑えざるを得ないということで、宮崎県内のほかの地域でも子牛の価格は先月比で1割余り急落しています。

一方、子牛を出荷する繁殖農家にとっては1頭当たりの平均価格が60万円を切ると安定的に利益を出して経営を続けるのは難しくなってくるということで、この状況が続くと宮崎牛ブランドの土台が揺らぎかねません。

JA都城・畜産担当の阿多祥一常務は「バーベキューなどで牛肉需要が高まる夏に向けたこの時期でも低迷が続いているのは異例で、繁殖農家の間ではショックが広がっている。牛肉生産の衰退につながらないか懸念している」と話していました。