原料は放置竹林の竹 新富町に肥料工場建設

手入れがされなくなった、いわゆる「放置竹林」の竹を原料に肥料などを作る企業の工場が新富町に建設され、今後、自治体とも連携しながら資源の有効活用を進めることになりました。

この工場は「放置竹林」の竹から畑の肥料や家畜の飼料を製造する都城市の「大和フロンティア」が新富町に建設したものです。

14日、河野知事や小嶋崇嗣町長らが参加して工場の開所式が行われ、テープカットの代わりに竹をのこぎりで切って祝いました。

この会社の工場が建つのは都城市と鹿児島県さつま町に次いで3か所目となります。

「放置竹林」は土砂崩れなどの災害リスクを高めるとして全国的に問題となっていますが、この企業は所有者の依頼に応じて無償で竹を伐採し、肥料や飼料を製造しています。

放置竹林を減らすと同時に、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で高騰する肥料や飼料を農家が安く調達できるようになり、循環型の持続可能な農業につながることが期待されています。

さらに、14日は、新富町を含む8つの自治体が企業と連携協定を結び、今後、放置竹林に悩む住民に工場を紹介するなどして、資源の有効活用を進めることになりました。

大和フロンティアの田中浩一郎社長は「飼料や肥料が高騰する中、いかに地域資源を利用するかが課題なので、この事業を通じて地域の農業を発展させていきたい」と話していました。