うつ伏せ寝で乳児死亡受け 保育園などに事故防止の徹底を指導
宮崎市の保育施設で、先月、うつぶせで寝ていた1歳未満の乳児が死亡したことを受けて、市や県は6日、県内の保育園や幼稚園などに事故の防止を徹底するよう文書で指導しました。
先月19日、宮崎市内の保育施設で昼寝の時間中にうつぶせで寝ていた1歳未満の乳児が死亡しました。
宮崎市によりますと、この施設では以前からうつぶせの状態で寝た子どもをそのままにしていたほか、国の基準よりも配置する職員の数が少ない時間帯があったということです。
今回の事案を受けて、市は6日、市内にあるすべての保育園や幼稚園など241か所に対して対策を徹底するよう文書で指導しました。
文書では、睡眠中の乳幼児について、医師がうつぶせ寝を勧める場合以外は、仰向けに寝かせることや口や鼻を覆ったり、首に巻き付くものを置かないこと、顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察することなどを求めています。
また、県も6日、宮崎市以外の県内すべての保育園や幼稚園など409か所に対して、対策の徹底を求める通知を送りました。
【5分おきに確認の園も】
今回の事故を受けて、宮崎市内の幼稚園ではあらためて対策の徹底が図られています。
ゼロ歳児から預かっている宮崎市の認定こども園「光が丘幼稚園」では、昼寝の時間は保育士たちがつきっきりで対応にあたっています。
市が推奨する基準にもとづいて、ゼロ歳は5分に1回、1歳から2歳は10分に1回、チェックシートを使って呼吸の状況や体勢を確認し、子どもがうつぶせになれば、あおむけにさせています。
子どもによっては、うつぶせの方が寝やすく泣いて起きてしまうこともありますが、事故のリスクを減らすためにあおむけを徹底しているということです。
保育士の皆川美春さんは「子どもがうつ伏せで寝ると、気持ちよく寝られるという話もお母さんたちから聞きますが、命がなくなることを防ぐため、必ずあおむけにして昼寝をしてもらっています」と話していました。
光が丘幼稚園の下苙敏大園長は「死亡事故はどこの園でも起こりうるので、睡眠時の呼吸の確認など安全管理の徹底を周知した。命を預かっていることを再認識して、楽しい幼稚園にする前に命を守るための対策を徹底していきたい」と話していました。