路線価公表 茨城県の平均は2年連続上昇

相続税などの計算の基準となることしの路線価が公表され、茨城県の平均は去年より0.7%上がり、2年連続の上昇となりました。

路線価は、国税庁が主な道路に面した土地の1平方メートル当たりの評価額をことし1月1日時点で算定したもので、相続税や贈与税を計算する際の基準となります。
茨城県内では、およそ6600地点が評価の対象となり、県内全体の路線価の平均は去年より0.7%上がり、2年連続の上昇となりました。
また、県内に8つある税務署の管轄地域ごとの最高路線価が公表され、上昇率が最も高かったのは守谷市中央1丁目の「守谷駅西口ロータリー」で去年より7.9%上昇し1平方メートル当たり20万5000円でした。
上昇は8年連続です。
次いで、つくば市吾妻1丁目の「つくば駅前広場線」も7年連続の上昇でした。
上昇幅は6.5%で、1平方メートル当たり33万円となるなど県南地域の上昇傾向が鮮明となっています。
一方、県北地域では、日立市幸町1丁目の「平和通り」は去年より1.5%下落し、1平方メートル当たり6万7000円でした。
下落は4年ぶりです。
このほか、県庁所在地の水戸市宮町1丁目の「水戸駅北口ロータリー」は去年から横ばいで、1平方メートル当たり22万円でした。

調査に携わった不動産鑑定士の羽場睦夫さんは、つくば市や守谷市の路線価の上昇について「東京方面の住宅需要がつくばエクスプレスの沿線を中心に県南地域に流れ込んできているほか、倉庫などの流通分野を中心に土地需要が活発になっている。守谷市などでは新たな土地の供給が少なくなっていることも影響し、堅調に推移している」と話しています。
一方で、日立市で路線価が下落したことについては「人口減少が続いていて、住宅地の需要が少なくなっていることから商業地でも鈍い動きになっている。日立駅前ではイトーヨーカドーが閉店し、新たな施設ができたが活況を呈するには至っていない」としています。
また、水戸市については「東京からの特急電車の利便性がよく、多くのマンション業者が進出して建設が進められているため、地価が下がりにくい状況にある。一方で、商業施設ではコロナ禍以降、大幅な回復は見られておらず、最高路線価のプラス転換には至っていない」と分析しています。
今後の見通しについては「東京からの通勤距離が近い県南地域では、今後も人口が集中し堅調に推移していく可能性が非常に高いが、日立市を中心とする県北地域では、人口減少が今後も進めば地価の上昇は厳しいのではないか」と話しています。