茨城県近代美術館 クラウドファンディングで環境整備へ

水戸市出身で、近代日本を代表する洋画家、中村彝のアトリエを復元した市内の建物の周囲に木々が生い茂り、日当たりなどが悪くなっているとして、美術館や企業などで作る協議会が、せんていなどの環境整備の費用を集めようとクラウドファンディングを始めました。

水戸市出身の中村彝は、明治時代から大正時代にかけて病と闘いながらすぐれた油彩画を残した洋画家で37歳の若さで亡くなり、代表作は、国の重要文化財に指定されています。
水戸市にある茨城県近代美術館では、昭和63年の開館にあわせて、東京にあった中村彝のアトリエを復元した建物が建てられ遺品や資料を展示していますが、35年以上が経過し、近くの木々が生い茂って日当たりが悪くなり、建物も周りから見えにくくなっています。
こうした中、茨城県近代美術館や県内の企業などでつくる協議会では、中村彝の没後100年にあたることし、せんていなどの環境整備を計画し17日からその費用を集めるクラウドファンディングを始めました。
目標金額は800万円で、▽せんていや伐採のほか、▽花壇の整備などを行うことにしています。
募集の期間は、ことしの8月9日までで目標に達しない場合は、全額返金するということです。
「茨城県近代美術館運営支援協議会」の会長を務める茨城県近代美術館の荒屋鋪透館長は「中村彝は病気をおしながら活動した画家なのでアトリエの世界、アトリエから見る外の景色はとても大事です。庭をきれいに整備して中村彝が見たような世界を県民の方々に味わってほしい」と話していました。