水戸藩主 徳川斉昭 初期に製作の大砲か 名古屋の博物館所蔵

水戸藩9代藩主・徳川斉昭が造ったと見られ、名古屋市内の博物館が所蔵している大砲が、斉昭が製作したものとしてはごく初期のものと見られることがわかりました。
専門家は「西洋の技術の影響が見られない形状で、斉昭が“攘夷”に取り組む起点となったことを示す貴重な史料だ」と評価しています。

水戸藩9代藩主・徳川斉昭は、相次ぐ外国船に対抗するため藩で多くの大砲を造らせて幕府に献上したほか、幕府の海防参与として全国で大砲を造るべきだと主張するなど幕末の“攘夷”論者として知られています。
先月オープンした名古屋市にある名古屋刀剣博物館で公開された大砲「勇」は、長さ2メートル余り、斉昭の書の特徴が表れた「勇」の字とともに斉昭の印が刻まれています。
この大砲について火器の歴史に詳しい別府大学の上野淳也教授は、狙いを定める装置の形が古く、西洋の技術の影響が見られないことから、斉昭が大砲を造り始めた頃のものである可能性が高いとしています。
これまで水戸市が把握していた斉昭の2つの大砲は、いずれも西洋の影響が見られることから、上野教授は「大砲『勇』の古めかしさは、水戸の藩主になって“攘夷”に取り組むうえで、まずできることを最大限やろうという斉昭の姿勢が表れていて、“攘夷”の起点となったことを示す貴重な史料だ」と話しています。
水戸市立博物館は、今月15日からリニューアルされる常設展で、大砲「勇」のパネルを展示することにしています。
水戸市立博物館の藤井達也学芸員は「今、こういった貴重な史料が見つかるんだとびっくりしました。ペリー来航の際、斉昭は大砲を幕府に献上していて、その後、存在自体がわからなくなっていましたが、これまで見つかっている小さいサイズの大砲と比較した研究に期待したいです」と話していました。