東海第二原発工事不備 周辺自治体首長が初めて視察

茨城県東海村にある東海第二原発で去年、工事の不備が見つかった防潮堤の基礎部分を、周辺自治体のトップらが初めて視察し、コンクリートが均一に充てんされず、鉄筋がむき出しになっている状況などを確認しました。

日本原子力発電は東海第二原発の再稼働を目指し、ことし9月までの計画で安全対策工事を進めていますが、去年、防潮堤の基礎部分に不備が見つかり、一部の工事が中断しています。
27日は、東海第二原発の再稼働の際に、事前に了解を得る必要がある東海村など周辺の6つの市と村のトップらが初めて現場を視察しました。
基礎部分には、地下およそ50メートルまで柱が作られているところですが、コンクリートが均一に充てんされず、ところどころ鉄筋がむき出しになっていました。
参加者からは原因や対策について質問が相次ぎ、日本原電の担当者は柱の強度を高めるため、原子力規制委員会に申請している補強工事の内容を説明しました。
このあと非公開で質疑応答や意見交換が行われ、安全対策工事が予定通り終わるか問われると、日本原電は非常に厳しい状況だと回答したということです。
東海村の山田修村長は「鉄筋が斜めに変形している様子などを実際に見て、大変な不具合だと感じた。工事完了の時期についてはある程度の段階で見通しを示すべきだと思う」と話していました。
日本原電東海事業本部の坂佐井豊本部長は「ありのままの工事の様子を見てもらえたと思う。今後もし工期を変更する事態になったら速やかに連絡したい」と話していました。