小澤征爾さんのお別れ会 館長務めた水戸芸術館で追悼

「世界のオザワ」と評され、ことし2月に亡くなった小澤征爾さんのお別れ会が、26日、小澤さんが館長などを務めた水戸芸術館で開かれ長年親交があった音楽家や水戸市民など900人以上が小澤さんを追悼しました。

ことし2月に88歳で亡くなった小澤征爾さんは、海外の名だたるオーケストラで活躍し水戸芸術館では、1990年に開館した当初から専属の水戸室内管弦楽団の音楽顧問を務め、2013年からは芸術館の館長と室内管弦楽団の総監督を務めました。
26日水戸芸術館では、小澤さんをしのんで、お別れ会が開かれ、小澤さんと長年親交があった音楽家などの関係者や抽選で当選した一般の参加者などおよそ930人が参加しました。
会の冒頭では全員で黙とうをささげました。
続いて水戸市の高橋靖市長が「水戸芸術館の発展の礎を築き上げてくださいました。世界に冠たる水戸芸術館として育て上げてくださいましたことに心から御礼と感謝を申し上げます」などと追悼の辞を述べました。
会場では小澤さんが指揮した室内管弦楽団の演奏会の映像が上映されその後、室内管弦楽団が追悼の演奏として小澤さんが生前、祈りの曲として何度も演奏していたバッハの「G線上のアリア」など2曲を演奏しました。
コンサートホールだけでなく、会の様子を中継で上映した劇場も満席で、訪れた人たちは、演奏を静かに聞き入り、小澤さんをしのんでいました。
会場には献花台が設けられ一人ひとりが花を手向けたあと、小澤さんに祈りをささげていました。
水戸室内管弦楽団の楽団員代表で小澤さんと40年来の親交があったホルン奏者の猶井正幸さん(73)は、「こういう会をするのは本当につらいです。小澤さんと今までやってきた、作ってきたものを僕たちは絶対に忘れないので、小澤さんがまだいるという気持ちで、これからも小澤さんの精神と一緒に進んでいく」と話していました。
水戸市内に住む60代の女性は「楽団の方たちが小澤さんに語りかけるような演奏でとても胸にこみ上げるものがありました。小澤さんの魂は生きていると思うので、水戸室内管弦楽団のコンサートに来続けたいと思います」と話していました。
群馬県高崎市から訪れた60代の男性は「小澤さんは子どものころから私にとってのヒーローで、日本人として最高の演奏を残してくれました。長年、本当にありがとうございました」と話していました。
今回のお別れの会にあわせて、水戸芸術館では来月2日まで小澤さんの功績を振り返る52点の写真やポスターを展示しています。