5年に1度「常陸大津の御船祭」の「本祭り」北茨城

北茨城市で5年に1度開かれる「常陸大津の御船祭」は「本祭り」が行われ、みこしをのせた木造の船を大勢が大きく揺らしながら綱で引いて町なかを練り歩きました。

「常陸大津の御船祭」は、漁業が盛んな北茨城市で江戸時代中期から続くとされる祭りで国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、去年12月にはユネスコの無形文化遺産に追加登録が提案されることが決まりました。
5年に1度の祭りは今月3日「本祭り」を迎え、「佐波波地祇神社」で海の安全と大漁を祈る神事を行ったあと、ことし厄年にあたる男性たちが中心になってみこしを神社から祭りで使う船まで威勢良く担いでいきました。
そして、みこしが船にのせられると、道路に敷いたソロバンと呼ばれる木の上を船が勢いよく走って行く「御神船渡御」という行事が行われました。
1000人を超える人たちが参加し、船を左右に大きく揺らしたあと太い綱で一気に引っ張っていき船を動かしていきました。
船が通ったあとには摩擦で出た白い煙が立ちこめて、訪れた人たちは迫力のある様子に歓声をあげたり撮影したりしていました。
また、見せ場となっている通りを曲がる場面では、船を揺らしたりソロバンの位置を調整して少しずつ船を向きを変えていき、船が向きを変えて走り出すと大きな拍手が送られていました。
祭りでは、2日、船が道路からはみ出し祭りを見物していた人も含む4人が重軽傷を負う事故があったため、保存会や警察が注意の呼びかけを強化しました。
警察と消防によりますと、この日は祭りに伴う事故などの情報やけが人の救急搬送の要請はなかったということです。
家族と土浦市から訪れた30代の男性は「初めて見ましたが、目の前で船がものすごく揺れて迫力がありました。5年後にも見に来たいです」と話していました。
常陸大津の御船祭保存会によりますと、ことしは今月2日と3日の2日間の祭りで、過去最大のおよそ30万人の観光客が訪れたということです。
常陸大津の御船祭保存会の高倉雅友副会長は「みなさん盛り上がって活気づいたと思います。幼少のころから携わって好きなお囃子や船、みこしを後世に伝えていきたい」と話していました。