常陸大津の御船祭に向けて「ソロバン」準備 北茨城

茨城県北茨城市の伝統の祭り「常陸大津の御船祭」が来月、5年ぶりに開催されるのを前に、みこしを乗せた木造の船を、陸上で移動させる際に使用する「ソロバン」という道具の準備作業が進められました。

「常陸大津の御船祭」は北茨城市で5年に1度行われる伝統の祭りで、みこしをのせた全長およそ14メートルの木造の船を引っ張ってまちを練り歩き海の安全と大漁を祈願します。
祭の大きな特徴が、木造の船を動かす方法で、「ソロバン」と呼ばれる井げた状の木のレールを地面に敷いて、レールの上を滑らすようにおよそ8トンの船を引っ張ります。
来月2日と3日に祭が開かれるのを前に、21日は地元の保存会の人たちが準備作業を行い、かしのきなどの木材を組み合わせて長さ1.5メートル、幅およそ60センチの「ソロバン」を作っていきました。
「ソロバン」は船を動かす時、摩擦熱で消耗するため、およそ400個、準備したということです。
21日はこのほか、祭りで使う木造の船の飾り付けや地区ごとに目印代わりに設置される高さおよそ15メートルの「旗柱」の設置も行われました。
40代の男性は「祭りをやってよかったとみんなでおいしいお酒が飲めるように準備も頑張ります」と話していました。
常陸大津の御船祭保存会の高倉雅友副会長は「祭りが間近だと感じます。本番では祭りの見せ場となっている90度に船を方向転換する様子をみて驚いてもらいたい」と話していました。