茨城県内 障害者への虐待確認 昨年度50件 これまで最多に

昨年度、茨城県内で確認された障害者に対する虐待は50件と、統計を取り始めてから最も多くなったことが、県のまとめでわかりました。
県は、虐待が疑われる場合は自治体の窓口に相談するよう呼びかけています。

県のまとめによりますと、施設と家庭内での虐待で昨年度、県や市町村に寄せられた通報や相談は169件で、このうち50件が虐待だと確認され、56人が被害にあったということです。
通報などの件数と、虐待だと確認された件数は、いずれも平成24年度に統計を取り始めてから最も多くなりました。
また、家庭内での虐待が64%を占めていました。
確認された虐待の内容を見ると、重複を含め、
▽「身体的虐待」が39件、
▽次いで「心理的虐待」が18件、
▽「経済的虐待」が10件、
▽「放置など」が7件、
▽「性的虐待」が1件となっています。
対応にあたった市町村が要因を複数回答で判断したところ、家庭内で最も多かったのは
▽虐待した人がその行為を虐待だと認識していないことが50%、
▽次いで、介護疲れが40%余りなどとなっていました。
一方、施設内ではすべてのケースで知識や介護技術の不足が挙げられていたということです。
県障害福祉課は「虐待防止への理解が広まり相談や通報が増え、件数が増えたとみられる。施設に対しては定期的に研修を行うなど対応しているが、虐待が疑われる場合は市町村の担当部署や県の窓口に相談してほしい」としています。