地価公示 茨城県の住宅地 去年より0.3%上昇 32年ぶり

ことし1月時点の茨城県の土地の価格は、住宅地の平均が去年より0.3%上がり、32年ぶりに上昇しました。

「地価公示」は、国土交通省が1月1日時点の土地の価格を調べたもので、茨城県内では住宅地や商業地、それに工業地など合わせて687地点が対象となりました。
それによりますと、全体の地価の県内の平均価格は1平方メートルあたり3万7300円で、去年より0.3%上昇し、2年連続で上昇しました。
用途別では、住宅地の平均価格は1平方メートルあたり3万2800円で、去年より0.3%上昇し、1992年以来32年ぶりに上昇しました。
商業地の平均価格は5万9700円で、去年より0.2%上昇し、2年連続のプラスでした。
また、工業地の平均価格は2万2200円で、去年より1.5%上昇し、3年連続の上昇となりました。
県内で地価の上昇率が最も高かったのは、住宅地が、つくばみらい市紫峰ヶ丘2丁目で上昇率は10.6%、1平方メートルあたりの平均価格は8万4700円でした。
商業地は守谷市中央4丁目で上昇率は8.4%、平均価格は23万2000円でした。
工業地は守谷市緑2丁目で上昇率は9.8%、平均価格は4万3900円でした。
また今回の調査では、水戸市の住宅地でも31年ぶりに価格が上昇した地点がありました。
水戸市内で上昇した地点は合わせて5地点です。
上昇率と平均価格は吉沢町が去年より0.8%上昇し、1平方メートルあたりの平均価格は3万7600円、笠原町が0.5%の上昇で平均価格は4万1800円、千波町が0.4%の上昇で平均価格は4万8500円などとなっています。

調査にあたった不動産鑑定士の羽場睦夫さんは、32年ぶりに県内の住宅地が上昇した要因について、「つくばエクスプレス沿線の住宅地の地価が上昇し、それに伴って県南地域の住宅地の地価が上がっている。県の北側でも駅周辺の環境のよい住宅地、水戸市やひたちなか市で地価が強含みに推移している地点がある」と、県南地域の地価上昇に加えて、県央地域でも地価が上昇している地点があることが要因と指摘しました。
また、水戸市内の住宅地が上昇した要因については、「地価水準が30年間下がり続けた関係で、水戸市では比較的土地を求めやすい状況が発生している。その中で、住宅ローン金利が上がるという見立てのもと、水戸駅周辺の環境のよい住宅地の地価が上昇している」と話していました。
今後の見通しについては、「特に千葉県のつくばエクスプレス沿線の流山市と柏市では分譲する土地そのものがほとんどなくなってきているが、茨城県側には供給余力があるので、しばらく人気が続き地価が大幅に下落する要因はない。県央エリアでもJR勝田駅前や千波湖周辺は住環境がよく、駅から近い地域は需要がそれなりにあるので、地価が急速に下がるということは考えにくい」と指摘しました。