茨城 記録的大雨から半年 専門家が当時の河川の水位を分析

茨城県の県北地域に大きな被害をもたらした去年9月の記録的な大雨から8日で半年です。
茨城大学の専門家チームが当時の日立市内の川の水位を分析したところ、中規模な川の水位上昇の速度が大規模な川と比べておよそ3倍速かったことがわかり、専門家は「避難情報の出し方を検討していく必要がある」と指摘しています。

茨城県のまとめによりますと去年9月の記録的な大雨で県内では3人が死亡し、住宅の被害はあわせて1800棟以上に上りました。
このうち日立市は、市内を流れる67の川のうち39が氾濫し、そのほとんどが中小の川でした。
茨城大学工学部の小林薫教授のグループは大規模な川の久慈川と近くを流れる中規模な川の茂宮川のそれぞれの観測所のデータを元に当時の水位上昇の速度を分析し比較しました。
その結果、久慈川のピーク時の速度が1分あたり5センチ、1時間あたり30センチだったのに対し、茂宮川は1分あたり14センチ、1時間あたり84センチとおよそ3倍速かったということです。
小林教授は「中小河川の方が危険な状態に早く達するため水位上昇の速度を踏まえて避難情報などを出す適切なタイミングを検討していく必要がある」と指摘しています。
専門家チームは今月15日の中間報告会で調査結果を公表することにしています。