茨城 東海村でミューオン測定し古墳構造調査するプロジェクト

茨城県東海村で、宇宙から降り注ぐミューオンという素粒子を測定することで、およそ1500年前の古墳の中の構造を調査するプロジェクトが進められています。

このプロジェクトは、およそ1500年前の東海村の「舟塚古墳群2号墳」の構造を最先端の技術で調査しようと、東海村などが去年4月から始め、県内の小学生から高校生までの子どもたちが参加しています。
プロジェクトでは、エジプトのピラミッドの調査でも使われた宇宙から降り注ぐミューオンという素粒子が古墳をどのくらい通過したかを測定する技術を用い、空洞となっている石室などの構造を明らかにするのが目的です。
今月18日には、子どもたちおよそ20人が測定装置の組み立てに参加しました。
村にある研究施設J−PARCで素粒子を研究している藤井芳昭さんの指導を受けながらミューオンを検知するセンサーや電子回路などを組み上げていました。
そして、パソコンや計器を使って、センサーがミューオンに反応しているのを確認すると拍手をして喜んでいました。
東海村では来年度、この装置を古墳の外側に設置して、測定を始めることにしています。
水戸市から参加した小学5年生の男の子は「もともと古墳に興味があり参加しました。宇宙から降り注ぐミューオンで古墳を調べるのは新鮮に感じます」と話していました。
つくば市の高校1年生の女の子は、「素粒子についてより深く知りたいと思い参加しました。将来は、科学技術をほかの分野にも活用してみたい」と話していました。
東海村の中泉雄太学芸員は、「さまざまな研究機関が立地している東海村の特徴を生かしたプロジェクトだと思います。学問の垣根を越えた幅広い視野を持つ子どもが東海村から育ってほしいです」と話していました。