石川 七尾に派遣 筑波大DMAT医師 被災地の厳しさ語る

能登半島地震を受けて、石川県七尾市の病院に茨城県から派遣されていた筑波大学附属病院のチームが9日戻り、リーダーを務めた医師が「医療支援の本部にいても全体像を完全に把握できたわけではない」と、被災地の医療の厳しい実態を語りました。

つくば市にある筑波大学附属病院の医師や看護師などで作る災害派遣医療チーム=DMATは今月6日につくば市を出発し、七尾市にある公立能登総合病院に派遣され9日午後7時ごろ、戻りました。
今回派遣されたチームは、およそ40時間の活動で能登総合病院の活動拠点本部で現場から情報を集めたり、支援計画を作成したりする業務に従事したということです。
9日夜、リーダーを務めた榎本有希医師がNHKの取材に応じ、「地域ではトイレや手洗いの水もない断水が続いている。自衛隊や行政などが給水作業を、医療機関向けには連日にわたりなんとかまかなってもらっていた」と断水が続く現地の状況を説明しました。
そのうえで、「医療支援の本部にいても、現場が混乱していて全体像を完全に把握できたわけではなく、やっと情報があがってきている状況だ」と述べ、被災地の医療の厳しい実態を語りました。
また、医療従事者については「ご自身やご家族も被災者でありながら被災当初から働いている人たちがたくさんいて、大変な日々を送っている」と話していました。
筑波大学附属病院では、国からの要請に応じて引き続き医療支援を行うことにしています。